ゴールの向こう側にあったモノ
2004年8月23日 日常この話は一昨年の話。
何も目標がナイ自分がイヤだった。
何か目標があれば少しは変わるんじゃないか?
目標があれば毎日そのことだけを考えて、そのためにどう努力すればいいかを考えればいいのではないか?
考えた事を実行すれば何かが見えるかもしれないそう思った。
目標って簡単に言っても小さなことから大きなことまで色々ある。どう目標を作るか。その考えの矢先に私の元に話が転がってきた。
会社に取引先の営業マンが来た。その人は私の担当だから、当たり前だが私と取引をする。でも私は妙な駆け引きはキライだから、単刀直入、相手の出してきた数字について即答する。
相手がその数字の提示に躊躇すると腹が立つ。
だから、最近私目当ての営業は数字を先に出す。
イジメルのも好きじゃない。だから仕事の話は来社5分以内で終わりにしたい。後は楽しくお話しようよ。
これが一応、私の考える段取りのイイ仕事。
この営業マンはとりあえず仕事の話を終えると自分の趣味について話始める。そこで出た話が、「マラソン」だった。
この営業マンはよく大会に出ているらしい。学生の頃から陸上部って言うお決まりだった。
そして私にこう言った。
「○月に大会があるんです。一緒に出ませんか?」
「イヤー無理ですよ。」
「でも楽しいですよ。ゴールした後の達成感がたまらないですよ。」
「達成感ねぇー。で何キロ?」
「10キロです。」
「あームリ。走ったことないし」
そしてしばらしくして普通の会話をして接客終了。
しばらくして、私はこのマラソン大会に出ることを決意する。
小さくもないし、大きくもない目標。でも達成感が味わえるらしいこのマラソン大会。今の私の目標になるのではないか?そう思えてきた。
でもここで、微妙にプライドの高い私は走ったこともない10キロっていう未知な距離を完走できるか不安だった。だから敢えて、応募はするけど走らないかもよ?なんて曖昧に返事しつつ応募した。
それから1ヶ月間、出来る限り練習した。けど、その頃はあまり走らない私でどうしていいか分からず、ただひたすら走っただけだった。当然、本番前に10キロなんて距離を走ることも出来なかった。クリスマスも寂しく一人で走った。国道をこの寒い空の下走っているのは私だけで凄く寂しかった。帰り何故か涙が溢れた。走るはずの帰り道走ることも出来ず泣きながら歩いた。
大会直前になって、営業マンから電話があった。
「すみません、大会出られないんです。でもチイさんも走りませんよね?」
「あっ、そうですか、、、出ないですよ」笑
そして電話を切った。私は直前になって風邪を引いていた。
大会前日、私は凄く悩んだ。行くべきか、止めるべきか。
悩みながらもとりあえず早朝に目覚ましをセットして夢の中で考えた。
目覚ましよりも早く起きた私は、それでも悩んだ。
「ここで止めていいの?そんなの私らしくないよ!」って私の中で何かが叫んだ。そう、私は一度決めたら最後まで実行する。
急いで用意をして家を出る。
家を出ようとしたとき、母に止められた。
当たり前だ。だって当たり前のように熱が下がらない。
それでも振り払って出てきた。
会場は同じ県内だというのに電車で1時間30分も掛かる辺鄙なとこにあった。早朝のため、電車も凄く空いてた。そして電車に乗り込む人や乗っている人もほとんどがマラソン参加者だと分かるような人たちばかりだった。
会場に着くとたくさんの人たちがいた。学校で参加したり同好会で参加したり。一応そこそこ大きい大会のようで大賑わいだった。
そんな会場で一人でいるのはとても寂しかった。会場でエントリーをするため並ぶ列も結構長くてなんかブルーだった。
外はあいにくの天気で雪混じりの雨だった。
控え室でひたすらボーっとしているとスタート地点に集合してください。って感じの放送が聞こえる。
あっ、時間なんだ。。。って思って急いで行く。
商店街みたいなスタート地点はたくさんの人でごった返していて、スタート地点と言うのは凄い激戦区なんだって始めて知った。それに自己記録でスタート地点が違うのも知らなかった。足にセンサーを着けるのも知らなくて適当に縛ってみた。
そんな感じでアッと言う間にスタートした。
けど、スタートしてもスタート地点に辿り着かない。だってスタート地点からかなり遠い場所だから。結局スタート地点に辿り着くのに3分掛かった。
そこからは永遠走ることになる。沿道にはこんな天気なのに旗を持って応援してくれる人たちがたくさんいた。
とりあえず私は集団の中に混じりながら、抜かされつつ、抜かしたり、をずっと繰り返してきた。けど、やっぱ風邪はきつい。
走っていると、ふと気づくものがあった。それはバスだった。
そのバスは棄権者用のバスでそれに乗り込むとリタイヤ出来るらしい。私の脇を凄い勢いで走り去る人がいた。
「スゲー。。。」っと感心したらなんてことないバスに向かって消えていった。
私は笑いそうになりながらも、なんとか走った。そして未知の世界の5キロの折り返しでまた同じコースを戻ると言う事に気づきゲンナリしてしまった。
でも負けそうな気持ちをどうにかねじ伏せて、なんとか1時間以内に走りたいって思って頑張った。
残り3キロって表示を見て少し意識が遠くなりそうだったけど、それでもなんとか途中で水の入ったコップを上手くキャッチして飲んで投げるという少し憧れてた行動も無事にサラッとこなし、死にそうになりながらも、おばちゃんの声援を胸に頑張った。
ゴール間近っていう表示を発見した私は、もうこの状況に耐えられなくなって全力疾走したら、びっくりなことにそこから1キロもあるなんて知らなくてマジで倒れるかと思った。
ラスト50メートルでこれでもかっていう全力で走って最後にゴボウ抜きをして、超ヤナヤツ演出してゴールした。
で?感動ってやつは?達成感ってやつは?
全然なかった。だって当たり前、別に私は誰のために走る訳でもなく、自分の為に走ってる、まして今日は一人でここまで来たのだから、私の知っている人は誰もいなくて、誰もゴールした私の名前を呼んで褒めてくれる人なんかいない。いるわけない。
あの営業マンだって、まさか私がここに居るとは思っていなし。会社の人たちにも出ないって言ってきた。完走出来たのだから自分で褒めればいいのか?でもこんな切羽詰まった状態ならある程度頑張れば誰だって走りきれる距離だしね。なんて思う冷めた自分しかいなかった。でもこーなるのは最初からわかっていたんだ。私は所詮、褒められるのが大好きで、自分で褒めるのは好きじゃない。確かに自分が一生懸命なのは好きだけど、やっぱり人に認められてナンボってとこなんだよ。
なんかそう考えだしたらアホらしく思えて急いで出口に向かおうとすると会場の子に「干し芋」と称して「完走芋」を渡される。これはこの地域の名産品らしい。。。。
疲れきったカラダでまた電車に乗る。帰りは爆睡だった。
そして翌日、会社と営業マンにばれるのは時間の問題だった。
みんな私が行かないって言ったのを信じるようで信じていなかった。新聞も見られてた。
走りきった翌日にみなに褒められた。
けど、やっぱ私が欲しいのは大切な人に褒められるってことだったと気が付いたマラソン大会で、ゴールで待っていて欲しいと思うのは大切な人なんだと思ったマラソン大会だった。
何も目標がナイ自分がイヤだった。
何か目標があれば少しは変わるんじゃないか?
目標があれば毎日そのことだけを考えて、そのためにどう努力すればいいかを考えればいいのではないか?
考えた事を実行すれば何かが見えるかもしれないそう思った。
目標って簡単に言っても小さなことから大きなことまで色々ある。どう目標を作るか。その考えの矢先に私の元に話が転がってきた。
会社に取引先の営業マンが来た。その人は私の担当だから、当たり前だが私と取引をする。でも私は妙な駆け引きはキライだから、単刀直入、相手の出してきた数字について即答する。
相手がその数字の提示に躊躇すると腹が立つ。
だから、最近私目当ての営業は数字を先に出す。
イジメルのも好きじゃない。だから仕事の話は来社5分以内で終わりにしたい。後は楽しくお話しようよ。
これが一応、私の考える段取りのイイ仕事。
この営業マンはとりあえず仕事の話を終えると自分の趣味について話始める。そこで出た話が、「マラソン」だった。
この営業マンはよく大会に出ているらしい。学生の頃から陸上部って言うお決まりだった。
そして私にこう言った。
「○月に大会があるんです。一緒に出ませんか?」
「イヤー無理ですよ。」
「でも楽しいですよ。ゴールした後の達成感がたまらないですよ。」
「達成感ねぇー。で何キロ?」
「10キロです。」
「あームリ。走ったことないし」
そしてしばらしくして普通の会話をして接客終了。
しばらくして、私はこのマラソン大会に出ることを決意する。
小さくもないし、大きくもない目標。でも達成感が味わえるらしいこのマラソン大会。今の私の目標になるのではないか?そう思えてきた。
でもここで、微妙にプライドの高い私は走ったこともない10キロっていう未知な距離を完走できるか不安だった。だから敢えて、応募はするけど走らないかもよ?なんて曖昧に返事しつつ応募した。
それから1ヶ月間、出来る限り練習した。けど、その頃はあまり走らない私でどうしていいか分からず、ただひたすら走っただけだった。当然、本番前に10キロなんて距離を走ることも出来なかった。クリスマスも寂しく一人で走った。国道をこの寒い空の下走っているのは私だけで凄く寂しかった。帰り何故か涙が溢れた。走るはずの帰り道走ることも出来ず泣きながら歩いた。
大会直前になって、営業マンから電話があった。
「すみません、大会出られないんです。でもチイさんも走りませんよね?」
「あっ、そうですか、、、出ないですよ」笑
そして電話を切った。私は直前になって風邪を引いていた。
大会前日、私は凄く悩んだ。行くべきか、止めるべきか。
悩みながらもとりあえず早朝に目覚ましをセットして夢の中で考えた。
目覚ましよりも早く起きた私は、それでも悩んだ。
「ここで止めていいの?そんなの私らしくないよ!」って私の中で何かが叫んだ。そう、私は一度決めたら最後まで実行する。
急いで用意をして家を出る。
家を出ようとしたとき、母に止められた。
当たり前だ。だって当たり前のように熱が下がらない。
それでも振り払って出てきた。
会場は同じ県内だというのに電車で1時間30分も掛かる辺鄙なとこにあった。早朝のため、電車も凄く空いてた。そして電車に乗り込む人や乗っている人もほとんどがマラソン参加者だと分かるような人たちばかりだった。
会場に着くとたくさんの人たちがいた。学校で参加したり同好会で参加したり。一応そこそこ大きい大会のようで大賑わいだった。
そんな会場で一人でいるのはとても寂しかった。会場でエントリーをするため並ぶ列も結構長くてなんかブルーだった。
外はあいにくの天気で雪混じりの雨だった。
控え室でひたすらボーっとしているとスタート地点に集合してください。って感じの放送が聞こえる。
あっ、時間なんだ。。。って思って急いで行く。
商店街みたいなスタート地点はたくさんの人でごった返していて、スタート地点と言うのは凄い激戦区なんだって始めて知った。それに自己記録でスタート地点が違うのも知らなかった。足にセンサーを着けるのも知らなくて適当に縛ってみた。
そんな感じでアッと言う間にスタートした。
けど、スタートしてもスタート地点に辿り着かない。だってスタート地点からかなり遠い場所だから。結局スタート地点に辿り着くのに3分掛かった。
そこからは永遠走ることになる。沿道にはこんな天気なのに旗を持って応援してくれる人たちがたくさんいた。
とりあえず私は集団の中に混じりながら、抜かされつつ、抜かしたり、をずっと繰り返してきた。けど、やっぱ風邪はきつい。
走っていると、ふと気づくものがあった。それはバスだった。
そのバスは棄権者用のバスでそれに乗り込むとリタイヤ出来るらしい。私の脇を凄い勢いで走り去る人がいた。
「スゲー。。。」っと感心したらなんてことないバスに向かって消えていった。
私は笑いそうになりながらも、なんとか走った。そして未知の世界の5キロの折り返しでまた同じコースを戻ると言う事に気づきゲンナリしてしまった。
でも負けそうな気持ちをどうにかねじ伏せて、なんとか1時間以内に走りたいって思って頑張った。
残り3キロって表示を見て少し意識が遠くなりそうだったけど、それでもなんとか途中で水の入ったコップを上手くキャッチして飲んで投げるという少し憧れてた行動も無事にサラッとこなし、死にそうになりながらも、おばちゃんの声援を胸に頑張った。
ゴール間近っていう表示を発見した私は、もうこの状況に耐えられなくなって全力疾走したら、びっくりなことにそこから1キロもあるなんて知らなくてマジで倒れるかと思った。
ラスト50メートルでこれでもかっていう全力で走って最後にゴボウ抜きをして、超ヤナヤツ演出してゴールした。
で?感動ってやつは?達成感ってやつは?
全然なかった。だって当たり前、別に私は誰のために走る訳でもなく、自分の為に走ってる、まして今日は一人でここまで来たのだから、私の知っている人は誰もいなくて、誰もゴールした私の名前を呼んで褒めてくれる人なんかいない。いるわけない。
あの営業マンだって、まさか私がここに居るとは思っていなし。会社の人たちにも出ないって言ってきた。完走出来たのだから自分で褒めればいいのか?でもこんな切羽詰まった状態ならある程度頑張れば誰だって走りきれる距離だしね。なんて思う冷めた自分しかいなかった。でもこーなるのは最初からわかっていたんだ。私は所詮、褒められるのが大好きで、自分で褒めるのは好きじゃない。確かに自分が一生懸命なのは好きだけど、やっぱり人に認められてナンボってとこなんだよ。
なんかそう考えだしたらアホらしく思えて急いで出口に向かおうとすると会場の子に「干し芋」と称して「完走芋」を渡される。これはこの地域の名産品らしい。。。。
疲れきったカラダでまた電車に乗る。帰りは爆睡だった。
そして翌日、会社と営業マンにばれるのは時間の問題だった。
みんな私が行かないって言ったのを信じるようで信じていなかった。新聞も見られてた。
走りきった翌日にみなに褒められた。
けど、やっぱ私が欲しいのは大切な人に褒められるってことだったと気が付いたマラソン大会で、ゴールで待っていて欲しいと思うのは大切な人なんだと思ったマラソン大会だった。
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