どうしても聞きたかったから

私は会社にとても気になる人がいた。
それは別に妙に恋愛めいた思いがある訳でもなく、彼の人生について興味があった。

その彼は違う営業所だった。だから彼の話は、本人から聞くと言うより、噂で聞くと言うことだった。

それがある日、異動に異動が重なり、気が付けば同じ部署に配属になった。
けど、異動してきて間もない時に興味本位なことも聞けず、今に至った。

私に興味が出たのは、この彼の噂がもの凄くインパクトがあったから。そしてその噂を聞いた当時、私は人生の中で最悪な時だった。

日々日に、この彼とは仲良くなり、微妙に探りを入れるが確信に触れられない。
だけど、なかなかイイヤツで私は好きだな。友達として。

だけど、私は一度気になりだしたら、止まらない。
彼の友人からも探りを入れる。けど、どうしても話が彼と友達、会社と話が噛み合わない。

この話を私は実に2年間追いかけていた。執着する私も恐ろしい。そして、今日事実を聞いた。

そして、今。私は後悔している。

この話を合えて今持ち出したこと。そしてこの2年間は彼にとって、とっても辛いことだった。なのに、私は自分の欲求の為にこの事を彼に思い出させてしまった。

人は、本当に辛いことは、本当の友達に言えなかったりする。
それはどうしてだろう？友達だからこそ言えないこと。
だから長年の友達でさえ知らないことがある。
事実、私も本当に仲の良い友達にさえ言えないことがたくさんある。
人は、みんな同じなの。みんなそれぞれ傷を持っている。
そしてその傷をうまく隠したり、見せたりしながら成長している。

事実を聞いて、後悔した反面、更にこの彼のことが友達として、更に好きになったような気がする。
やっぱり、自分の傷を傷とさせないのはその人に秘められたパワーがあるから。

だから諦めちゃいけない。まだ私は戦える。

今日事実を教えてくれた彼に私は凄く感謝している。
彼が乗り越えた壁を私もなんとなく乗り越えられそうな気がしてきた。